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キアゲハ通信No.032-「ラッキー・マン」

2014.06.02 更新

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「ラッキー・マン」

院長 西田 善彦

  ハリウッドの青春スターとしてバック・トゥ・ザ・フューチャーなどの映画で有名な男優マイケル・J・フォックスが,1998年9月に神経難病の1つであるパーキンソン病に自身が罹っていることを公表し,世界中が驚きました.パーキンソン病は高齢者に多い病気なのに,その当時30歳代であった彼がすでに密かに7年間もこの病気と格闘していたのです.その闘病記を彼は「ラッキーマン」という名の本に書きました.自分は辛い病気にかかったけれどそのおかげで家族や生活を振り返ることができ,人生と仕事に感謝し,さらにこの病気を通じて社会奉仕活動をするチャンスをもらえた幸せ者だと彼は言っております.

 一方,「Luckiest Man(ラッキィエスト・マン)」という本もあるのをご存じですか?こちらは,米国野球メジャーリーグの名門ニューヨークヤンキースの鉄人ルー・ゲーリック1塁手の伝記です.ゲーリックはヤンキースの4番で通算打率が.341,ホームランが494本という強打者であったのに加え, 2130試合連続出場という56年間も破られなかった大記録を持っていた選手です.しかもその記録を更新していた最中に手の親指を含め実に17カ所も骨折していたというから驚きです.骨折の痛みにさえ耐えられるほど精神的にも肉体的にもタフであったその彼も筋萎縮性側索硬化症(ALS)という全身の筋肉がやせる神経難病におかされ,連続出場がとぎれると共に現役を引退し,そのわずか2年後の1941年に亡くなりました.そして彼は,残された最後の2年間を素晴らしい人生に感謝して障害のある青少年のための社会奉仕活動に捧げました.

当 院の患者さんの中にもM・J・フォックスやゲーリックのようにどんな病気にも決して諦めずに戦い続ける強さや周囲に感謝する優しさを持っておられる方が何人もおられます.健康で元気な私たちもこれらの方々に学んで運をつかめるようピンチをチャンスに換える気持ちを持って生活してゆけたらと思います.

(院内広報誌「なんきんまめ No.59(2005.7.1)」に掲載)
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