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キアゲハ通信No.036-「四十肩・五十肩」

2014.06.23 更新

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「四十肩・五十肩」

院長 西田 善彦

  私は,この数年,四十肩・五十肩に悩まされています.この四十肩・五十肩は正式には肩関節周囲炎といって40歳代(=四十肩)や50歳代(=五十肩)の人に多く発症し,肩から腕にかけての痛みと肩関節の運動制限を主症状とします.このため髪をとかそうと腕を挙げたり背中をかこうと手を後ろに回した時に鈍痛が走ります.

 この病気の原因は加齢や運動不足により肩を支えている筋肉が衰えて起こるといわれています.肩の関節は前後左右さらには上下と膝や肘に比べて自由に動きますが,これは肩関節の構造が他の関節に比べて骨同士の接合が不完全で緩いためです.そのままではすぐ脱臼してしまいますので,筋肉やその腱によって関節の周囲を補強しているのです.その代表的な筋肉が,ポパイの力こぶで有名な上腕二頭筋です.そしてこの筋の腱が老化してきますと炎症(腱炎)を起こしたり,ささいなことで損傷あるいは断裂したりします.また関節を形成している骨と腱の間には潤滑油のような滑液包というものがあり,そこに炎症を起こしたりさび付いたかのように石灰沈着を起こします.このようにして関節の痛みと運動制限が起こり,その結果,ますます肩を動かさなくなり悪循環をきたしてさらに痛みと運動制限が増していくというわけです.

 さて治療ですが,発症してから2~4週間の急性期はなるべく安静にして炎症が強ければ冷やします.そして慢性期になると温めたりしながら少しずつ運動量を増やして筋肉を鍛え,可動範囲を拡げてゆきます.私の場合,左肩は約10ヶ月で治りましたが,右肩は既に1年間以上痛みが続いております.ところがこの1月15日に突然激しい痛みが来たと思ったら,その翌日にはそれまでの20%くらいまでに痛みが激減しました.小泉首相は何事も改革には痛みを伴うが最後までやりとげないといけないと言われましたが,まさにその通りだと新年早々体感した次第です.

(院内広報誌「なんきんまめ No.63(2006.3.1)」に掲載)
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