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キアゲハ通信No.088-「中村修二教授のノーベル物理学賞受賞」

2015.06.22 更新

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「中村修二教授のノーベル物理学賞受賞」

院長 西田 善彦

 

 徳島県における今年1番のビッグニュースは恐らく徳島大学出身の中村修二米国カリフォルニア大学教授によるノーベル物理学賞受賞ではないでしょうか?不可能と言われていた青色発光ダイオード(LED)の発見により以前から噂には上っていましたが,いざ現実となると本当にビックリです.

 私は中村教授と直接の面識はありませんが,少しだけ接点があります.その1つは,徳島大学に入学した年が1973年と同期なのです.もちろん学部は違いますが,入学式はともに大塚講堂にいたでしょうし,教養課程の数学でクラスは別でしたが,同じ教授の授業を受けています.その教授先生からお聞きしたところ,中村教授はその当時からやはり飛び抜けて優秀だったそうです.そしてもう1つは,驚いたことに中村教授は今から恐らく5年くらい前に米国から帰国した際,入院患者さんのお見舞いにわざわざ伊月病院を訪ねてこられたことがあるのだそうです.それで教授は今でも伊月病院のことをご存じかもしれません.そう思うと世の中は想像するよりずっと狭いし,何のご縁があるか分からなく,一期一会って大切だなと改めて実感いたしました.

 さてその中村教授は受賞後のインタビューにて「研究の原動力は怒りのパワーであった」と発言され,とても印象的でした.人間,怒るにはパワーが必要です.出来ることなら怒らずに暮らす方が楽だと思います.しかし困難に直面した時に理不尽だとあえて怒ることでパワーをみなぎらせ,それをネガティブな方向に向けるのではなく,不可能と言われて人が見向きもしない方向に注ぎ込んで見事な発見をされたことは,本当に素晴らしいことだと感服いたしました.

 とかく後ろ向きになりそうな時にこそ「ピンチはチャンス」なのだから,ケツを割らずに最後まで逃げずに頑張るものだと私は恩師に言われたことがあります.中村教授のノーベル賞に比べるとささやかですが,負けずにやっていきたいと思っております.

(院内広報誌「なんきんまめ No.115(2014.11.15)」に掲載)
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