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キアゲハ通信No.091-「野菜と果物の違い」

2015.07.06 更新

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「野菜と果物の違い」

院長 西田 善彦

  トマトを食べていてふと思いました.子供の頃にはトマトは青臭くて苦手だったはず.それが今ではフルーツトマトと呼ばれる品種もあって果物並みに甘い!でもちょっと待ってちょっと待ってお兄さん.そもそも野菜と果物の違いって何なのでしょう.

 農林水産省のホームページによりますと,野菜には定義があり,①田畑で栽培されていること,②副食物(つまりおかず)であること,③加工を前提としないこと,④草本性であること(すなわち草),なのだそうです.この定義に従えば,トマトやスイカ(西の瓜と漢字で書きますものね)は勿論,野菜ですが,代表的な果物のはずのイチゴやメロンも意外にも野菜ということになるのです.全く驚きました.でもよく考えますとこの定義は目安の1つであり,例えば,トマトやセロリは野菜ジュースに加工されますし,パイナップルは果物ですが,酢豚によく入れられます.要するに,主に食用にするため人工的に栽培されており,実以外にも葉や茎や根までも食べられる植物を野菜として定義しているように思われます.これとよく似た関係では,私の趣味である蝶と蛾の関係があると思います.蝶を採集していると,よく蝶と蛾の違いについて聞かれます.蝶は昼間飛び,蛾は夜活動するとか,蝶は止まるとき羽を立て,蛾は羽を横に広げるなどの違いがあると言われますが,例えば代表的な蝶であるアゲハチョウは羽を開いて止まります.このように例外があり,これらだけで区別することは出来ません.学問的には蝶の種類は明確に決められており,それ以外は蛾とされ,このため蛾の種類は蝶の30倍以上と言われております.

 今回,トマトを食べていてふと不思議に思い,いろいろ調べて勉強することが出来ました.皆様もぜひ日常の中で転がっている何気ないことを疑問に思い,改めて考えてみると新しい発見につながり,ひいてはボケ予防につながるかもしれません.

(院内広報誌「なんきんまめ No.118(2015.5.15)」に掲載)
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