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キアゲハ通信No.110-「サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会」

2018.07.18 更新

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「サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会」

院長 西田 善彦

 これまでにもサッカーW杯が開催されたらこのコラムで取り上げてきましたが,今回のロシア大会のベスト16という成績を総括すると,下馬評よりもはるかに良かったもののやはり残念さが残ります.

 そもそもW杯出場は6大会連続であり,もう当たり前のはずでした.ところが最近の強化試合で負け続け,開催2か月前に突然,監督をハリルホジッチ氏から西野朗氏に交代させるなど最悪の状態でした.そういう中で西野監督は極めて短期間にチームを立て直し,最低目標であるベスト16まで日本を導いたのです.その手腕は本当に高く評価され,ある意味で日本チームの中で最も注目を集めた1人ではないでしょうか.しかしそのチーム統率力や戦術眼は称賛に値すると激賞された一方で,1次リーグ第3戦のポーランド戦で負けているのに2次トーナメントに進むため最後の10分間は攻撃せず自陣でのボール回しに徹したことを激しく叩かれたのでした.

 確かにこの試合は後味が悪くもやもやが残りました.またこのある意味博打のような決断はうまくいかなかったら単なる批判どころでは済まなかったように思います.しかしこの勝利に徹してそのためにはたとえファンを敵に回しても勝負に徹するという姿勢は,私の尊敬する落合博光氏と共通しているように思います.落合氏は中日ドラゴンズの監督時代,2007年の日本シリーズで山井投手(ご両親が徳島県出身との噂)が8回まで好投し,あと1回で完全試合だったのに岩瀬投手に交代させたという采配で物議をかもしました.この采配に関して私個人は,私の生まれる前の1954年から53年ぶり2度目の日本一を切望していましたので当然だと思いましたが,世間では激しいバッシングが起こりました.

 この2人に共通しているのは,自分の置かれている状況を正確に分析してその問題点を的確に捉え,それに対する最善の策を示してチームを導いてゆくトップの姿だと思い,大変勉強になりました.

(院内広報誌「なんきんまめ No.137(2018.7.15)」に掲載)
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