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キアゲハ通信No.028-「落合ドラゴンズ優勝?!」

2014.05.12 更新

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「落合ドラゴンズ優勝?!」

院長 西田 善彦

 9月20日現在,プロ野球は2リーグ制存続をめぐって史上初のストまで行われて大揺れです.一方では,俺流とか言って周囲を煙に巻いていた落合ドラゴンズがするすると抜け出し,監督就任1年目でもうすぐ優勝しそうです.それもチームの本塁打数が新記録を作った巨人の半分をはるかに下回っていての話なのですから痛快です.今日はその好成績の秘密について私の考えを述べます.

 まずは昨秋の監督就任時にこのチームは各人を10%底上げするだけで優勝がねらえると宣言し,大型補強を一切しなかった点です.これで選手全員をまとめ,やる気を起こさせ,さらに監督経験のない自分に対する信頼を得ています.次に2月のキャンプイン時に1軍も2軍もないとして同じスタートラインに並ばせベテランにハッパをかけました.実はその裏で過去3年間投げられなかった川崎投手を開幕投手に指名したり,巨人を飛び出た川井選手を獲得するなど,ベテランに温情を見せ自分に対する忠誠心を高めています.また落合監督は,現役時代に何度も三冠王を取った天才打者でした.彼はこの実績を実に上手に利用し,打者をおだてて暗示にかけるのは勿論のこと褒められた投手までもが自信を持って試合をしています.こうして荒木選手を始め若手が大きく伸び,選手全員が一丸となって自分がチームにとって何が出来るかを考えながら戦うようになり,優勝をねらえるところまで来たのだと思います.

 落合監督は現役時代の豪放磊落な打撃の職人というイメージとはまるで違って,守りを重視し敗れた時には選手たちまでも自らが守る繊細で静かな監督なのです.私のこれまで知っている出来あがった人材を管理して使う川上監督タイプや人材を育てて使う西本監督タイプのいずれとも似て非なる新しいタイプの監督である落合監督がこれからどのように変化してゆくのか,プロ野球自体の今後の変化も含めてますます楽しみになってきました.

(院内広報誌「なんきんまめ No.55(2004.11.1)」に掲載)
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