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キアゲハ通信No.041-「オシム日本」

2014.07.28 更新

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「オシム日本」

院長 西田 善彦

 今年の日本のスポーツ界は,荒川選手のイナバウアーと王ジャパンのWBC優勝に始まり,ジーコ日本のサッカーW杯での敗退,ハンカチ王子,さらには新庄劇場と本当にいろいろなことがあった1年でした.そんな今年1年を振り返って最後に取り上げたいのは,オシム監督率いるサッカーの新生日本です.

 トルシエ日本の植民地的組織優先サッカーからジーコ日本になって自由で創造性あふれるサッカーへと展開し,今年6月のW杯は夢のような大会になるはずでした.ところが実際には1勝も出来ずに予選で敗退し日本中が呆然としてしまいました.そんな気持ちに一筋の光明をもたらしてくれたのがオシム日本です.オシム氏は前任者2人とは大きく異なっているようです.まず彼は内容の良くない時には選手をかばい,逆に良い時にはあえて苦言を呈して選手に課題を与えます.彼は自分のことを監督ではなく「教師」であると言っています.次に選手に「考えて走れ」と命じます.これが彼のチームの理念です.状況に応じて選手の判断でどんどんと戦い方を変えてゆくことを要求し,その為には選手は攻撃専門や守備専門となることを許されず,多様な能力を持って「汚れ役」さえも勤めなければなりません.そしてそういった陰で屋台骨を支えている選手を彼は重用しています.新しい代表チームは今のところまだジーコ日本の時に比べると何とも地味で強そうにはとても見えないのですが,あと1-2年もすればきっと史上最強の全日本チームになれるような期待を抱かせます.

 そして今まで述べてきたオシム氏の教えは,私たち伊月病院にとっても同じことが言えると思います.これから職員1人1人が,自分は何が出来るかそしてこれから何をなすべきかということを絶えず考えながら勤務して皆で向上して行けたらきっと良い病院になって行けるものと思います.ああそれにしてもジーコ氏とオシム氏の順番が逆だったらと思っているのは私だけでしょうか?

(院内広報誌「なんきんまめ No.68(2007.1.10)」に掲載)
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