膝の痛みについて(聴取者の方にスタジオにきていただいて)

2003.09.14 放送より

1.あいさつ
 
この前も股関節や膝の痛みの方のお葉書をもとに変形性関節症についてお話ししましたが、今日は実際にお悩みの方にお越しいただいているとのこと.やはり膝の痛みは中高年の女性には多い.

2.症状について

 ・膝の痛みはいつごろからか?

 ・どの様なときに痛いのか、また痛みの程度と持続時間は?

 ・水がたまったりするのかあるいは他に症状はないか?

 ・どこかに受診中の場合、どの様にいわれているか?

  →診断は、やはり変形性膝関節症と思われる.(鑑別は関節リウマチなど、X線検査や血液検査、関節液の検査)

3.変形性膝関節症の病因・症状について

 膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨(大腿4頭筋の腱の中にある)といった骨とその骨の表面にある柔らかくてゴムのような軟骨および2枚の半月板で構成され、前・後十字靭帯や内・外側副靭帯などの4つの靱帯と大腿4頭筋、大腿2頭筋、腓腹筋などの筋肉で支えられています.変形性膝関節症は、大腿骨と脛骨の間にある関節軟骨が、使いすぎによってすり減り骨が徐々に変形してゆき、関節が変形したり腫れたりし、さらに関節水腫といって関節の中に水が貯まったりして痛む病気です.

 若い時は激しい運動や労働をしがちな男性に多いのですが、老化の一種ともいえ、60歳以上になると女性の方が多くなり、実に80%以上の人に何らかの症状がみられるようになり、日本全体では1000万人位の患者さんがいるといわれております.病因としては、骨や関節軟骨の加齢性変化、筋肉の衰え、肥満、激しいスポーツや重労働による負担、O脚や扁平足など足部の変形、足に合わないハイヒールなどの靴などがあり、さらにけがによる関節の脱臼、関節の軟骨や靱帯あるいは半月板の損傷などにより二次的に発症することもあります.

 症状は、初期には痛みは関節を使いすぎた後に生じ、安静にすることによりおさまります.その後、関節を曲げたり伸ばしたりしたときや運動しているときにコツコツと音がしたりするようになり、運動中にも痛みが続くようになります.さらに進行すると軽い運動や安静時、特に夜間にも痛み出すようになり、炎症のために関節表面にある滑膜からの関節液の産生が増加したりその流れがとどこおったりしていわゆる関節に水がたまる状態となり、関節が腫れて変形してきます.そして痛みのために関節を動かさないようにすると、二次的に筋肉も萎縮し筋力が低下して関節への負担が増し、悪循環を起こし、さらに痛みが強くなり動けず寝たきりになってしまうことさえあります.

4.治療について

 ・生活療法:減量、安静、正座をしない、重いものを持たない、階段を避ける、杖を使う

 ・薬物療法:非ステロイド系消炎剤、坐薬、外用薬

 ・理学療法:筋力増強訓練、運動(自転車、水泳)

 ・温熱療法:お風呂、ホットパック

 ・補装具:外側楔状足底板、膝のサポーター、弾性包帯固定

 ・手術療法:高位脛骨骨切り術、人工関節置換術、関節鏡視下郭清術

 (適応:痛みで耐え難いあるいはADLが低下、1ヶ月に2-3日寝込む、75歳以下)

5.まとめ

 変形性膝関節症は老化の一種であり、軽度のものを含めると避けて通れない.むしろこれまで頑張ってきた勲章といえなくもない.かといって誰でも手術は嫌であり、体重を減らしたり、足の筋力をつけたりして膝の変形の進行を少しでもくい止めていただきたい.今日はどうもお越しいただきありがとうございました.

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